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2013年12月10日

祖母直伝の我が家のクリスマス ―ドイツの伝統を京都で受け継いで―

翡翠

私たちのクリスマスは、11月の第4日曜日(アドヴェント)から家族四世代全員で手分けして準備を始めます。

ドレスデン出身の祖母のやり方をしっかり受け継ぎ、ツリーは銀色に統一された幾つものオーナメントで飾ります。
一見地味なようですが、落ち着きのあるしっとりとした趣があり、私たちはそれを大切にしています。

台所では孫娘も交えてお菓子作りを一日掛けてします。
「やっと活躍の時が来た!」とオーブンがお菓子を香ばしく焼き上げてゆき、家中に香ばしいスパイスの香が漂い、まさにクリスマスは五感全てが心地良い感動に目ざめる時だと実感します。

イブまで毎日子ども達は、アドヴェントカレンダーの窓を一つずつ開け、中のチョコレートを味わってクリスマスを心待ちにします。
日曜日毎に、夜は明かりを落とし、幾つものローソクを部屋に置き、心静かにドイツの伝統的なクリスマスソングを聴きます。

クリスマス当日は、皆様がされているようにローストチキンを味わい、四世代全員で一年に感謝し、来る年の幸いを祈ります。
子ども達はプレゼントに眼を輝かせます。

今、ドイツではまさにクリスマス・マーケットが出て、夜の寒さにはグリューワイン〈ホットワイン〉で暖を取り、楽しい語らいが繰り広げられていることでしょう。

     皆様も良いクリスマスを、そして幸い深い新しい年をお迎えください。

 

 [注・参考](井嶋)
ドイツの宗教 [「Wikipedia」より]
 REMID(ドイツ)の2006年の統計によると、キリスト教徒 (68%) のうち、プロテスタント (32.7%) 、
カトリック (31.4%) で、イスラム教 (4.0%) 、ユダヤ教 (0.25%) 、無宗教もしくは無神論 (29.6%) 等
となっている。
2007年現在、ドイツの全人口の30,2%、24,832千人がドイツ福音主義教会(EKD)の教会員である。
ドイツ福音主義教会には22の州教会が加盟しており、常議員会議長がドイツ福音主義教会(EKD)を代
表する。

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[一言、井嶋からの蛇足]

キリスト教信仰者でなくとも、クリスマス:イエス・キリスト生誕を祝い、讃える音楽クリスマスキャロルに心魅かれる人は多いです。

そのとき、アメリカ発の、例えばジングルベルとか赤鼻のトナカイといった曲は、どうもねえ、と思っている人も多いのではないでしょうか。もっとも、ビング・
クロスビーのホワイトクリスマスは別だけど、と言う人も。
伝統の長短の違いでしょうか。

私もその一人なのですが、例外はマヘリア・ジャクソンが歌う聖歌です。これはアメリカならでは伝統でしょうか。

やはり、ヨーロッパの、それもクラシック系のそれは、正に聖夜に包み込まれ、にもかかわらず何で戦争は絶えない、などと思ったりする時間を与えてくれます。

中でも私の場合、イギリスの古いクリスマスキャロルで讃美歌でもある、「The First Noel」は、東京を彷徨っていた20代の時に新宿の雑踏の中で聞いた衝撃は今も体に残っています。ただ、あの衝撃を忘れずに、と思いつつも、ついつい日々に流されて自堕落な40年余りを過ごして来ていますが。

南半球では夏ですが、心揺さぶられる根っこは同じです。

ドイツ系京女[翡翠]さんの文章に接し、ヨーロッパの誇りが醸し出す静謐な世界を感じています。少々ヨーロッパを買いかぶりでしょうか・・・。

益々喧騒、言ったものが勝ちの喧々囂々(けんけんごうごう)日本に、うとましさを思う私の偏った感想でした。