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2016年3月3日

香港と日本のアジア小学生交流  その3

日韓・アジア教育文化センター
小林聖心女子学院小学校 講師
森本 幸一

 CIMG2370 (1024x768)     柔道着に着替えて「はい! ポーズ」

詩の説明をするマギー先生 (1024x768)     詞の説明をするマギー先生

送られたカードをみる香港児童 (1024x768)     プレゼントされたカードを見るSFA児童

 

 

11月27日金曜日。2日目も北風の吹くとても寒い日でしたが晴天。SFA児童、先生方全員が健康で交流開始。

まず始めは、小学校がちょうど避難訓練のため中学高等学校図書館の茶室で、SFA児童全員が順番に柔道着に着替え、模造の日本刀や木刀をさし、侍(さむらい)のようないでたちで記念撮影をするという奇抜なアイディアを考えてくださっていた。
立派な「書」が飾られている図書館を通り、二階の畳敷きの茶室へ靴をぬいで入った。そこでまず最初に前川先生から、茶室の由来や、茶室の入り口である「躙(にじ)り口」は、わざと狭くして刀を差して入れなくしていることなどの茶室の歴史や、日本刀の話など日本の歴史、文化に触れていただいた。

その後茶室で襖(ふすま)を隔てて男女に分かれ、男子は前川先生と奥野先生が、女子は境先生が一人ひとり柔道着に着替えていくお手伝いをしてくださった。私の予想以上に子ども達はとても興味深そうで、真剣そのもの。写真撮影の時は模造の日本刀や木刀を持って構え、侍になり、映画俳優のようにポーズをとっていた。さらに劉校長先生や黎主任、翁先生も侍のいで立ちで記念撮影をして大いに盛り上がった。
一方、マギー先生は、茶室での行儀作法を子どもたちに教えていただいていたようで、時々興奮気味のみんなを落ち着かせてくださった。さすが、マギー先生だ。

次は体育館へ移動し、仁川学院5年生の児童とSFA児童全員で日本人なら誰でも知っているであろう「ラジオ体操第一」をするという企画。まず、最初に仁川学院の児童にお手本を見せてもらった。体操隊形に開くその行動や掛け声は溌剌とし、きびきびとしていて素晴らしかった。そして、仁川学院の児童がグループごとにSFAの児童に教えてあげ、最後に全員でラジオ体操第一をした。

その後、5年生の教室(オープンスペース)で香港の児童が広東語で「詞」の暗誦を披露し、それをマギー先生が解説。(その「詞」について後日、マギー先生にうかがったところ北宋時代の蘇軾が11世紀後半に仲秋の名月を歌った詞「水調歌頭」だそうだ。日本文化とのつながりを感じた。)

最後に両校の児童が互いのプレゼントやカードを交換した。二日間という短い交流だったが、昨日、最初に出会った時と比べると随分と打ち解け合い、互いに言葉を交わし、仁川学院とSFAの交流、いや日本と香港の児童の交流が終わりをつげた。

思うに、仁川学院が今回SFAとの交流で考えてくださった交流のプログラムは、はっきり言って今様のものではないが、どれ一つをとっても日本の小学校教育で大切にしてきた重要な伝統的要素を含んでいて、私にとって改めて小学校教育を考える指針をしめしていただいた、と感じた。また、SFAの児童、先生方も異文化をものともせず、旺盛な好奇心で体験していただいたことによって、この交流がより一層充実したものとなったと確信した。