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2013年11月17日

子 育 て

(筆名の「翡翠」さんは、ドイツ系京女です。かれこれ10年ほど前に、私・井嶋は彼女に出会いました。爽やかなそして子どもと夫への愛に溢れた、それこそたおやかな女性でした。しかし、私は、彼女がその裏側で、国際結婚によることから、また学校社会の閉鎖性から苦渋し、苦難の時間を幾年も過ごしていることを知りました。私は、自身の教師体験からも彼女の思いを広く知ってもらいたく寄稿をお願いしました。その最初の寄稿が以下です。
ただし、次回をもって“いじめ”のことは終わりです。なぜなら書くことでその日々をリアルに思い出すことが、彼女をどれほど苦しめるかは、皆さん重々共感、同意いただけるかと思います。
以後、彼女の優しさと気品溢れる文章を、少しずつ掲載したく思っています。[井嶋 悠])

 

翡翠

子育てとは、社会に出た時に自己中心でなく思いやりのある人物の基礎を作り上げる、一つの職人芸に似たところがあるように思えます。

私は息子を授かった時「ヨシッ!」と真正面から気合を入れ、(て)育てて来ました。

彼はドイツ人なので、日本の学校ではなく日本にあるドイツ系の学校とインターナショナルスクールに行かせました。彼は周りからドイツ語・英語・日本語は当たり前と皆に言われ、小学校2年生までは3ヶ国語を話せたのですが、インターナショナルスクールでは英語が中心となり、ドイツ語は自然に話す機会が少なくなり、残念ながら遅れをとってしまいました。

それでも2ヶ国語は中途半端にならぬよう、アンチ教育ママな私ですが、不本意ながら彼の一番好きなのびやかば外遊びの時間は減らさざるを得ませんでした。

しかし、限られた遊びの時間は思いきりドロンコ遊びや空き地での子供ならではの想像空間でのびやかにはね回っていたことが、どれ程今日社会人となった今、役に立っているか、親も息子も納得しています。

彼は私達の理想通り、自然とのふれ合いを日常とし、動植物への慈しみの心と、海、山、天体で得た情景の感動は、いつまでも脳裏に焼き付き想い出の引き出しを開けた時、それは癒しのエッセンスとなってしばし心地良い時が流れているようです。

とは言え、ここに到るまでに国際結婚であることも重なって、どれほどのイジメを受けたか思い出したくもありません。

(でも、この機会にそのことについて知っていただくことも大切かと思い、次はそのことについて書いてみるつもりです。)

私は、彼がドイツの森林管理の仕事が一番向いていると密かに思っていたのですが、あくせくといわゆる日本のモーレツ仕事人となったので少し残念に思っています。

彼が納得しているのだから私は口出し出来ませんけれども、人生の先輩としてこれからも見守りアドバイスできれば幸せだと思っています。